■「ITday」とは?
「ITday」は、ダグラス・エンゲルバートの「The Mother of All Demos(すべてのデモの母)/The Demo(ザ・デモ)」を記念する世界的なシンポジウムです。1968年12月9日、ダグが「人間の知性を高める研究の核心」というテーマで行なったThe Demoは、その後のパーソナルコンピュータ、インターネットの源流となり、IT革命の出発点となりました。そして、ここが重要な点なのですが、現状のITはまだまだ問題だらけで、ダグが考えていた「人間の知性を高める」レベルのものに達していません。そこで、私たちは毎年12月9日を「ITday(IT記念日)」と定め、全世界で一斉に「ITdayシンポジウム」を開催し、「どうすれば人間の知性を高めるITを開発できるか?」ということについて議論するととともに、そうした優れたITを活用して、実際にみんなで理想的な未来社会「IT市民社会」を創造していきたいと考えています。
■これまでの経緯
私たちは、2018年12月10日(日本時間)、インターネット商用化25周年・ダグラス・エンゲルバート The Demo 50周年記念シンポジウム「IT25・50」(アラン・ケイ基調講演)を開催しました。そして、これを機に毎年、12月9日を「ITday(IT記念日)」と定め、The Demoの原点に帰って、ITの過去・現在・未来を検証し、よりよい未来社会創造に向けて、活動していくことにいたしました。
企画趣旨
2018年は、1993年にWebブラウザNCSA Mosaicが発表され、インターネット商用化が本格的に始まってから25年。そして、1968年12月9日(米国時間)、ダグラス・エンゲルバートが、マウスやウインドウ、ハイパーテキストなど、その後のパーソナルコンピュータ、インターネットの歴史の出発点となった「The Mother of All Demos(すべてのデモの母)/The DEMO(ザ・デモ)」を行ってから50年を迎えます。
そこで、2018年12月10日(月)(日本時間)ITが誕生した日からちょうど50年後のこの日、「パーソナルコンピュータの父」アラン・ケイの賛同を得て、インターネット商用化25周年 & 「ザ・デモ」 50周年記念シンポジウム「IT25・50 (アイティ・ニーゴー・ゴーマル)〜本当に世界を変えたいと思っている君たちへ〜」を日本全国で同時開催したいと思います(主会場は、慶應義塾大学三田キャンパス東館6階G-Labとなります)。
このシンポジウムに参加していただきたいのは、アラン・ケイが1972年に著した論文のタイトル「A Personal Computer for Children of All Ages(すべての年齢の子ども心を持った人たちのためのパーソナルコンピュータ)」に描かれているような、若いしなやかな感性を持った人たちです。そして、本当に世界を変えたいと思っている人たちです。実年齢は問いません。
このシンポジウムの目的は3つです。①本当に世界を変えた偉人の話をみんなで聞こう。②どうしたら本当に世界を変えられるか、みんなで考えよう。③みんなで本当に世界を変えよう。
考えてみてください。私たちは、誰かが世界を変えてくれるのを待っていればいいのでしょうか? 政府やGAFAのようなプラットフォーマーたち、あるいは巨額な資金を運用する投資家たちが変えてくれるのを待っていればいいのでしょうか?
たぶん、そうやって誰かが世界を変えてくれるのを待っている限り、いつまでたっても、あなたが主体的に関われる社会はやってこないでしょう。
そうではなく、もし、あなたが、もっと自分自身が主体的に関わることができる未来社会、主体的に関わることで、明るく楽しく暮らせる未来社会を望むのであれば、今一度、ダグラス・エンゲルバートやアラン・ケイ、スティーブ・ジョブズといった、ITの歴史に燦然と輝く変革者たちが、何を考え、どう世界を変えてきたのかを振り返ってみるといいでしょう。
なぜなら、彼らが創り出した「パーソナルコンピュータ(個人のためのコンピュータ)」という言葉、そして、「インターネット(ネットワークのネットワーク)」という言葉。いずれも、専門家ではない、普通の人々の力をパワーアップし、普通の人々が協力しあい、力を合わせて問題解決をしてゆく未来社会。そういった未来社会をみんなで創造していこうという、壮大なビジョンを含んだ言葉だからです。
私たちが、IT誕生50周年の記念日をみんなでお祝いし、この機会に、「ITを活用して、みんなで知恵と力を合わせて世界を変えるにはどうしたらいいか? 理想的な市民社会を創造するのはどうしたらいいか?」を考えようと呼びかける理由はここにあります。
私たちは、この機会に「IT Day」を制定し、毎年、IT全体の発展を祝うとともに、これまでの歴史を振り返り、これからの“未来社会”をみんなで考えてゆく活動の契機にしたいと思います。
企画概要
開催日時:2018年12月10日(月)18:30〜21:00(18:00受付開始)
開催場所:慶應義塾大学三田キャンパス東館6階G-Lab(主会場)、日本全国各会場、全世界に向けてライブ中継を実施する
東京都港区三田2-15-45 https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
参加費(主会場):一般前売り 5,000円(Peatix 先着100名様) 当日売り 6,000円(受付)
学生前売り 2,000円(Peatix 先着20名様) 当日売り 3,000円(受付)
ご不明な点などありましたら、IT25・50公式サイト(http://it2550.net/ask/)よりお問合せください。
【タイムスケジュール】
1.アラン・ケイ基調講演「未来を予測する一番いい方法は、自らそれを創ることだ」
(ロンドンから遠隔講演)
1968年12月9日、歴史的な「ザ・デモ」に参加したアラン・ケイは、ほぼ同時期にパーソナルコンピュータの理想型として「Dynabook Concept(ダイナブック構想)を発案し、ゼロックスのパロアルト研究所で「暫定的ダイナブック」を開発。そして、その「暫定的ダイナブック」に触発されたスティーブ・ジョブズが世界初の商用パーソナルコンピュータMacintoshを開発し、ビル・ゲイツがWindows を開発、世界を大きく変えてゆきました。アラン・ケイが「ダイナブック構想」の詳細を著したのは、1972年に発表した論文「A Personal Computer for Children of All Ages(すべての年齢の子供心を持った人たちのためのパーソナルコンピュータ)」でしたが、驚くべきことにアラン・ケイは、「ダイナブック構想」は今なお実現していない、実現するのはこれからだ」と言っています。基調講演では、「ダイナブック構想」が実現するのはこれからだ」というのはどういうことなのか、具体的にお話いただくとともに、本当に世界を変えたいと思っている皆さんに向けてアラン・ケイならではの貴重なメッセージを贈っていただきます。なお、表題の「The best way to predict the future is to invent it(未来を予測する一番いい方法は、自らそれを創ることだ)」は、アラン・ケイの最も有名な言葉のひとつです。
[解説]この映像は、2018年9月にアラン・ケイのご自宅でインタビューしたときのものです。この「ダイナブック構想」のモックアップが、今日のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットの原点となりました。そして、アラン・ケイは、「残念ながら、商用化がイノベーションの停滞を招いてしまっている。「ダイナブック構想」が実現されるのはこれからである。」と述べています。
2.パネルディスカッション
パネリスト:村井純 慶應義塾大学教授、村岡洋一 東京通信大学学長、阿部和広 青山学院大学客員教授、園田智也 ウタゴエ代表、佐藤昌宏 デジタルハリウッド大学大学院教授、服部桂 ジャーナリスト
出演者ご紹介
・映像出演
Alan Kay(アラン・ケイ)
1940年5月17日、マサチューセッツ州スプリングフィールド生まれ(78歳)。1960年代、コンピュータが高価で大きく、複数人で共有するのが当たり前だった時代に、個人の活動を支援する「パーソナルコンピュータ」という概念を提唱し、コンピュータの理想型として「ダイナブック構想」を考案。ゼロックス・パロアルト研究所で、1973年、Altoというミニコン上で開発した「暫定的ダイナブック」は、その後、パーソナルコンピュータの標準仕様となるオブジェクト志向のプログラミング言語、そして、マウスやビットマップディスプレイといったGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)を備えていた。この「暫定的ダイナブック」に触発されて、ほぼ10年後の1984年、スティーブ・ジョブズが世界初の商用パーソナルコンピュータMacintoshを開発した。2001年、子どもの教育に関連するソフトウェア開発を目的とする非営利組織 Viewpoints Research Institute を創設。現在、「ダイナブック構想」は、非営利団体Dynamiclandに継承され、さらなる研究開発が進められている。コンピュータサイエンティストであるとともに、若いころには、プロのジャズギタリストとして活躍。作曲や演劇デザイン、パイプオルガン演奏も行うアーティストでもある。
Christina Engelbart(クリスティーナ・エンゲルバート)
ダグ・エンゲルバート協会共同創設者兼エグゼクティブディレクター。父ダグラス・エンゲルバートを長年にわたりサポートする。1978年、Dougのラボで開発されたNLS / Augmentシステムの顧客担当としてスタートし、Augment hypermailシステムのUI設計に関わる。父とともにブートストラップ協会(現在のダグ・エンゲルバート協会)を設立。ビジョンや実装戦略の洗練、ソフトウェア開発、普及啓発に尽力する。2018年12月9日、The Computer History Museumにて「TheDemo@50」を開催する予定である。
・パネリスト
村井純(むらい じゅん)
慶應義塾大学環境情報学部教授。大学院政策・メディア研究科委員長。1955年生まれ。工学博士(慶應義塾大学・1987年取得)。1984年日本初のネットワーク間接続「JUNET」を設立。1988年インターネット研究コンソーシアムWIDEプロジェクトを発足させ、インターネット網の整備、普及に尽力。初期インターネットを、日本語をはじめとする多言語対応へと導く。内閣高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)有識者本部員、内閣サイバーセキュリティセンターサイバーセキュリティ戦略本部本部員、IoT推進コンソーシアム会長他、各省庁委員会の主査や委員などを多数務め、国際学会等でも活動。2013年「インターネットの殿堂(パイオニア部門)」入りを果たす。「日本のインターネットの父」として知られる。著書に「インターネット」 (岩波新書) 著、「角川インターネット講座」第1巻「インターネットの基礎 情報革命を支えるインフラストラクチャー」(角川学芸出版)他多数。
村岡洋一(むらおか よういち)
東京通信大学学長。博士(コンピュータサイエンス)。早稲田大学名誉教授、早稲田情報科学ジュニア・アカデミー 総合監修。1942年宮城県生まれ。1965年早稲田大学理工学部電気通信学科卒。1971年イリノイ大学電気計算学科博士課程修了。同年日本電信電話公社(現NTT)入社、データ通信室長などを歴任。1985年早稲田大学理工学部教授。2002年同大学副総長。イリノイ大学の高度並列処理計算機ILLIAC IVの開発に参画し、並列コンパイラの基本方式などを提案。その後、汎用計算機アーキテクチャ、グローバルコンピューティング等の研究開発等で貢献。情報処理学会理事、電子情報通信学会ISS会長、電気通信技術審議会専門委員等を歴任。情報処理学会副会長。
阿部和広(あべ かずひろ)
青山学院大学客員教授、津田塾大学非常勤講師。2003年度IPA認定スーパークリエータ。文部科学省プログラミング学習に関する調査研究委員。1987年より一貫してオブジェクト指向言語Smalltalkの研究開発に従事。パソコンの父として知られSmalltalkの開発者であるアラン・ケイ博士の指導を2001年から受ける。Squeak EtoysとScratchの日本語版を担当。子供と教員向け講習会を多数開催。OLPC( $100 laptop) 計画にも参加。2018年10月、「Scratch 2018 Tokyo」実行委員長として、Scratch開発者ミッチェル・レズニックMIT教授を招聘して日本初のScratchカンファレンスを開催する。著書に『小学生からはじめるわくわくプログラミング』(日経BP社)、共著に『ネットを支えるオープンソースソフトウェアの進化』(角川学芸出版)、監修に『作ることで学ぶ』(オライリー・ジャパン)など。 NHK Eテレ「Why!?プログラミング」プログラミング監修、出演(アベ先生)。
園田智也(そのだ ともなり)
ウタゴエ株式会社代表取締役社長。1975年生まれ。1998年早稲田大学理工学部卒業。在学中に音声認識技術を応用した「歌声による曲検索システム」で国内外の特許を取得。2001年、早稲田大学 大学院理工学研究科博士後期課程に在学中、うたごえ有限会社を設立。2003年8月に株式会社へ改組。2007年、シリコンバレーに米国オフィスを開設。現在、主力事業はスマートフォンアプリ「瞬間日記」で 、世界200カ国以上で累計3000万ダウンロードを突破。スマートスピーカー用の音声による「ひとこと日記」のほか、深層学習・敵対生成ネットワーク(GANs) を応用した音声認識、音声合成、株価予測、画像処理、ゲーム思考エンジン等の機械学習サービスを提供。2018年2月、株式会社ユーザーローカルと自動車画像加工AIライブラリを共同開発する。2018年、株式会社クリエイシオンと AIを活用した最先端の物体認識アプリ「ColleCard」を共同開発。学習カードゲーム「ColleCard」にかざすと関連Webサイトにジャンプするほか、さまざまな物体をカードコレクションして楽しく遊び、学べるサービス開発への道を切り開く。(http://www.utagoe.com/jp/)
佐藤昌宏(さとう まさひろ)
デジタルハリウッド大学大学院教授。1992年、日本電信電話株式会社(NTT)入社。マーケティング、経営企画業務に従事。1999年、無料ISPライブドアの立上げに参画。コーポレートストラテジー、ビジネスデベロップメントを経験。2002年、デジタルハリウッド経営企画執行役員に就任。2009年よりデジタルハリウッド大学大学院事務局長を経て、現在は大学院専任教授として、「デジタル技術を活用して新しい教育を創る」ことを目的とする「Effective Learning Lab」(佐藤昌宏研究室)を主宰。テクノロジーにより教育にイノベーションを起こすムーブメント、「EdTech」分野のフロントランナー。EdTechスタートアップの想いを発信するイベント EdTech JAPAN Pitch Festival や大企業によるEdTech支援プログラムEdTechCampのプロデュースなど、教育×ICTの先端動向を広く発信している。また、ドコモ・イノベーションビレッジ、スタートアップウィークエンド、Viling Venture Partners等、数多くのインキュベーションプログラムのメンターや審査員なども務めている。2018年11月、一般社団法人 教育イノベーション協議会代表理事として「Eduvation×Summit 2018」を開催する。
服部桂(はっとり かつら)
1951年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科で修士号を取得後、1978年に朝日新聞に入社。87年から2年間、米MITメディアラボ客員研究員。科学部を経て、出版局で『ASAHIパソコン』副編集長、『DOORS』編集委員、『PASO』編集長。94年に新聞紙面で初のインターネット連載。2011年から同社ジャーナリス ト学校シニア研究員。著書に『人工現実感の世界』『人工生命の世界』『マクルーハンはメッセージ』など。訳書に『ハッカーは笑う』『人工生命』『デジタル・マクルーハン』『パソコン創世「第 3の神話」』『ヴィクトリア朝時代のインターネット』『謎のチェス指し人形ターク』『チューリング 情報時代のパイオニア』 『テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか?』『<インターネット>の次に来るもの』等。「IT25・50シンポジウム」発起人のひとり。
・司会
高木利弘(たかぎ としひろ)
株式会社クリエイシオン代表取締役。1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1986年、日本初のMacintosh専門誌『MACワールド日本版』創刊。1987年、『MACLIFE』 創刊。1996年に独立後、パブリッシャーとしての経験を生かし、インターネット、マルチメ ディア関連のコンサルティング、プロデュース、セミナー、執筆活動を行う。2003年、経済産業省情報セキュリティ啓発活動「インターネット安全教室」を企画プロデュース。地域のIT関連団体の協力を得て、47都道府県で実施する。2017年~2018年、米国『WIRED』創刊編集長ケヴィン・ケリー著『<インターネット>の次に来るもの』の12章に基づき12回シリーズの「ホロス2050未来会議」を実施。主な著書は、『The History of Jobs & Apple』『ジョブズ伝説』『スマートTVと動画ビジネス』等。「IT25・50シンポジウム」発起人のひとり。
鈴木柚里絵(すずき ゆりえ)
東京大学大学院総合文化研究科でスポーツ神経科学を専攻。同大学教養学部卒。ミス・ワールド・ジャパン2018実行委員長賞 ミス・ヨガ賞。ミス総理大臣コンテスト2017グランプリ。外務省のクールジャパン政策の一環で海外に派遣されるコスプレイヤー。5ヶ国語を操る。日本、中国、韓国の武道を習得。出演歴 TBS 『SASUKE2015』フジテレビ『さんまの東大方程式』など。Twitter、Instagram→@yuriehiyoko
3.「IT25・50」シンポジウム日本全国同時開催
(大学・IT関連団体等の共催や、授業や研修での活用、サークル視聴の希望者を募集中です)
・「IT25・50」シンポジウムは基本的に二部構成です。一部では、「アラン・ケイの基調講演」「アラン・ケイを交えたパネルディスカッション」をライブ中継し、二部では、開催地ごとに独自テーマを設定してシンポジウムを実施します。
・大学の授業や企業・地方自治体・団体等の研修、サークルや仲間うちで視聴したいという場合は、ライブ中継の受信(無料)のみでもかまいません。
4.世界中で「Mouse(マウス)」(「IT25・50」版「バルス」)と呟こう!
12月9日、YouTube、Twitter、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTok等で、「マウスの誕生日」をお祝いする呟きをみんなで一斉に行い、「The Demo 50周年」および「IT Day」キックオフの祝賀を全世界で盛り上げます。
■記念日 12月9日
■記念日の名称「マウスの誕生日(Mouse’s Birthday)
※一般社団法人 日本記念日協会に正式に認証されました。
■記念日の由来
1968年12月9日、「ITの父」ダグラス・エンゲルバートが、マウスやウインドウ、ハイパーテキストなど、その後のパーソナルコンピュータ、インターネットの歴史の出発点となる「すべてのデモの母(The Mother of All Demos)/The Demo」を行いました。中でもマウスは、それまで専門家しか操作できなかったコンピュータを誰もが操作できるようになる、いわゆるGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)の誕生を示す象徴的なデバイスであり、今日のスマートフォンやタブレットで一般的となったタッチ・インターフェイスなどUX(ユーザー体験)の源流となっています。そして、今日でもなお、eSportsの世界では、なくてはならない重要なデバイスとなっています。そこで、この歴史的偉業から50年周年を迎える2018年12月9日、日本はもちろん世界中でこの「The Demo 50周年」をお祝いし、「ITの過去・現在・未来」について考える記念日として「12月9日」を「マウスの誕生日」と制定しました。
IT Day World Committeeの設立
1.「IT Day」創設の意義
・たとえば、スーパーの「特売日」をはじめ、「母の日」「バレンタインデー」「ハロウィン」、あるいはアリババの「独身の日」のように、一般的に「記念日」を設け、祝祭を盛り上げることで、市場を大きく活性化できることが知られています。しかし、IT業界には、今までのところ、これといった記念日がなく、業界全体で業界を盛り上げようという機運も出てきていません。
・もし、この機会に、全世界的な記念日を制定し、毎年、全世界で「IT Prize」授賞式を行ったり、さまざまなシンポジウムを開催したり、各ターゲット層向けに啓発セミナーを開催したり、チャリティやキャンペーン、プロモーションを行う仕組みを構築できれば、そうでない場合に比べ、より効率的に、広範囲にわたって業界全体を活性化し、社会改革を促進することができるでしょう。
・ただし、この「記念日」が定着し、業界活性化に繋がるためには、誰もが納得し、共感する正当な未来ビジョンを備えた「記念日」でなければなりません。その点、The Mother of All Demosが実施された12月9日は、IT業界の記念日「IT Day」に最も相応しいといえます。
2.「IT Day World Committee」の設立
・The Mother of All Demosに始まるIT革命は、ダグラス・エンゲルバートやアラン・ケイ、スティーブ・ジョブズなど、誰もが納得し、共感する正当な未来ビジョンを持った人々によって成されてきました。したがって、「IT Day World Committee」は、そうした正当な未来ビジョンを持った人々と密接に連携し、その正当な未来ビジョンを継承する人々が中心になって設立されなければなりません。
・まずは、ミッション、憲章を制定し、組織計画、活動計画、資金計画を立て、2019年以降の「IT Day」実施に向け、活動を開始します。
主会場のプログラム
第一部は、18:30〜19:50となります。第一部は、YouTubeライブで、同時通訳の音声入りのライブ中継と、英語のままのライブ中継の2種類を配信しますので、どちらか視聴したいほうをご選択ください。共催いただく場合は、第二部で独自に地域ごとのシンポジウムをご開催ください。なお、主会場のシンポジウムのライブ中継は、引き続き21:00のシンポジウム終了まで続けますので、研修等で活用されるなど、主会場の様子を引き続きご覧になられたい場合は、そのまま中継をご覧ください。
共催のお願い
大学・IT関連団体
「IT25・50 〜本当に世界を変えたいと思っている君たちへ〜」を各地域で共催していただける大学・IT関連団体を募集いたします(大学の授業等でライブ中継の受信のみも可)。共催いただける大学・IT関連団体にお願いしたいのは、①共催シンポジウム会場のご提供(大学に限りません)、②共催シンポジウム全体の運営、③第一部「アラン・ケイの基調講演」「アラン・ケイを交えたパネルディスカッション」ライブ中継の受信、 ④第二部 独自シンポジウムの企画立案、⑤告知・集客、⑥懇親会の運営(懇親会の開催は任意です)、⑦Facebookグループ「IT25・50実行委員会」へのご参加です。FBグループ「IT25・50実行委員会」では、参加団体共同で、各地域のインターネット商用化25年&IT革命50年史や、政治・経済・文化・産業・特産品・人材・生活環境、自然環境、課題等をまとめ、結果を公表。解決に向けたプロジェクトをスタートするとともに、相互交流を深め、地域活性化、国際交流を推進する活動を具体化してゆきます。共催シンポジウム全般について、事務局がサポートさせていただきます。なお、ライブ中継の送信に関しては、無償でご提供させていただきます。
研修としてのご活用のお願い
大学等の教育期間・企業・地方自治体・団体
「IT25・50 〜本当に世界を変えたいと思っている君たちへ〜」のライブ中継を、学生・社員、職員、会員向けの研修としてご活用していただける大学等の教育期間・企業・地方自治体・団体を募集します。なお、ライブ中継の送信に関しては、無償でご提供させていただきます。
地域協賛のお願い
大学等の教育期間・企業・自治体
「IT25・50 〜本当に世界を変えたいと思っている君たちへ〜」の活動趣旨にご賛同いただき、協賛金(地方企業・団体10万円)を拠出いただける大学等の教育機関・企業・自治体を募集します。ご協賛いただけましたら、「IT25・50」シンポジウムの告知等で「協賛」クレジット表記をさせていただくとともに、「IT Day World Committee」設立準備会のメンバーとしてご参加いただきます。全国企業・全国団体については、別途ご相談させていただきます。
告知協力・取材協力・イベント協力のお願い
新聞社・放送局・ネットメディア
「IT25・50 〜本当に世界を変えたいと思っている君たちへ〜」の趣旨に賛同し、告知協力・取材協力・イベント協力していただける新聞社・放送局・ネットメディアを募集いたします。ご協力いただける各メディアにお願いしたいのは、①「IT25・50」シンポジウムの告知・取材協力、②「IT25・50」版「バルス」イベントの告知、取材協力等です。
後援のお願い
学会・協会・新聞社・放送局・ネットメディア
「IT25・50 〜本当に世界を変えたいと思っている君たちへ〜」の趣旨に賛同して後援いただける学会・協会・新聞社・放送局・ネットメディアを募集いたします。
共催・研修活用・協賛・協力・後援のお申込み、お問合せは、
「IT25・50」シンポジウム公式ページ( http://it2550.net/ask/ )
【世界を変えた3つの歴史的偉業】
1.1993年1月23日 NCSA Mosaic
[解説]NCSA Mosaic(エヌシーエスエー モザイク)は、1993年1月23日にイリノイ大学の米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)で、当時21歳だったマーク・アンドリーセンが開発したWebブラウザで、その後のWorld Wide Webの爆発的普及とインターネット商用化のきっかけとなりました。マーク・アンドリーセンは、NCSAがMosaicの権利を主張したため、事業家ジム・クラークとともにネットスケープコミュニケーションズ社を設立して、初の商用ブラウザNetscape Navigatorを開発。このNetscape Navigatorの爆発的普及が、インターネット商用化に大きく貢献しました。Webブラウザの特徴は、テキストとグラフィックスを同時に表示できるということで、その直感的なわかりやすさが、インターネットが広く一般に普及する鍵となりました。 よくMosaicが世界初のウェブブラウザであるという言い方をされることがありますが、それは正しくありません。実際には、同時期に複数のWebブラウザが相次いで登場していた中のひとつにすぎなかったのですが、結果的にインターネット商用化に大きく貢献したのはMosaicだったということです。NCSA は Mosaic のマスターライセンスをスパイグラス社に与え、さらにスパイグラス社からライセンスを取得したマイクロソフト社が、Mosaicのコードを元にInternet Explorerを開発しました。ネットスケープコミュニケーションズ社は、その後、WebブラウザをWindowsにバンドルして無料で配布するマイクロソフト社に敗北して、歴史の表舞台から去りましたが、Netscape Navigatorの精神は、今なおMozilla Firefoxに受け継がれていると言われています。
2.1968年12月9日 The Mother of All Demos/The DEMO
[解説]「The Mother of All Demos(すべてのデモの母)」は、今から50年前の1968年12月9日、 サンフランシスコで開催された電気 機械学会/ ACM / IEEE( コンピュータ・サイエンス協会)コンピュータ・コンソーシアムのフォール・ジョイント・コンピュータ会議で、ダグラス・エンゲルバートが行った歴史的なデモンストレーションのことです。その後のIT関連のすべてのデモンストレーションのルーツになったという意味で「すべてのデモの母」と呼ばれています。90分のデモンストレーションでダグラス・エンゲルバートが行ったのは、oN-Line System(NLS)と呼ばれる、世界初のコンピュータハードウェアとソフトウェアを統合したシステムでした。NLSは、マウス、ビットマップディスプレイ、ウィンドウなど、いわゆるGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)をはじめ、ハイパーテキスト 、ビデオ会議 、動的ファイルリンク、リビジョンコントロール、コラボレーションといった、今日のパーソナルコンピュータ、インターネットの基本要素を網羅したものでした。会議は、「A research center for augmenting human intellect(人間の知性を高めるための研究の中核)」という表題で行われ、約1,000人のコンピュータ専門家がデモンストレーションを目撃しました。そして、その設計思想は、ゼロックス パロアルト研究所に集まったアラン・ケイなどに引き継がれ、MacintoshやWindowsといったパーソナルコンピュータの誕生につながっていきました。
3.1972年8月1日 Dynabook Concept
[解説]「Dynabook Concept(ダイナブック構想)」は、アラン・ケイが1968年に「Kiddy Comp」という名称で発案し、1972年8月1日、「A Personal Computer for Children of All Ages」という論文で発表した、パーソナルコンピュータの理想型です。論文に掲載されたイラストに描かれているのは、ジミーとベスという9歳の2人の子どもが、芝生の上でタブレット型の「ダイナブック」で「宇宙戦争」のゲームをして遊んでいるシーンです。2人は、ゲームを面白くするために、太陽を加え、宇宙船に太陽に向かって加速する重力を加えるにはどうすればいいかを議論し、ベスはさっそくヤコブソン先生に教えてもらったプログラムコードを書き加えています。アラン・ケイは、パーソナルコンピュータがまだ影も形のなかった時代に、将来実現するであろう理想のパーソナルコンピュータはタブレット型になるだろうと予測し、ゼロックスのパロアルト研究所で、1973年にAlto(アルト)という小型のミニコンピュータ上に、SmallTalkというプログラミング言語を使って、GUI(グラフィック・ユーザー・インターフェイス)を備えた「暫定的ダイナブック」を開発しました。パロアルト研究所には数多くの訪問客が訪れましたが、その将来性を見抜くことができたのはアップル社のスティーブ・ジョブズとジーパンを履いた若者たちだけでした。そして、アップル社は、約10年後の1984年、世界初のGUIを備えた商用パーソナルコンピュータ、Macintoshを発表。マイクロソフト社がWindows 95を開発したのは、そのまた約10年後の1995年のことでした。
主催:「IT25・50」シンポジウム実行委員会(事務局:株式会社クリエイシオン)
共催:札幌市・MOSA、山形・東北公益文科大学、福島・日本コンピュータ振興協会、福島・小高イノベイターズ、埼玉・東京電機大学、東京・MOSA at 神田ラボ、千葉・千歳科学技術大学、名古屋・東海インターネット協議会、神戸市・地域ICT推進協議会(COPLI)、大分・ハイパーネットワーク社会研究会
協力:米国ダグ・エンゲルバート協会、米国コンピューター歴史博物館
協賛:デジタルハリウッド大学、慶應義塾大学、MOSA、神戸市・地域ICT推進協議会
地域協賛:MOSA、神戸市・地域ICT推進協議会
後援:JNSA、朝日新聞社メディアラボ、読売新聞社
「IT25・50」シンポジウム賛同者からのメッセージ
アラン・ケイ/Alan Kay
クリスティーナ・エンゲルバート(ダグ・エンゲルバート協会理事)/Christina Engelbart(Co-Founder and Executive Director of the Doug Engelbart Institute)
クリス・ガルシア(コンピュータ歴史博物館キュレーター)/Chris Garcia(Curator of the Computer History Museum)
マーク・ウェバー(コンピュータ歴史博物館キュレーショナルディレクター)/Marc Weber(Curatorial Director of the Computer History Museum)
ダグ・スパイサー(コンピュータ歴史博物館シニアキュレーター)/Dag Spicer(Senior Curator of the Computer History Museum)
イアン・グッドフェロー(グーグル, 敵対的生成ネットワーク発明者)/Ian Goodfellow(Google, GANs inventor)
発起人
高木利弘(たかぎ としひろ)
株式会社クリエイシオン代表取締役。1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1986年、日本初のMacintosh専門誌『MACワールド日本版』創刊。1987年、『MACLIFE』 創刊。1996年に独立後、パブリッシャーとしての経験を生かし、インターネット、マルチメ ディア関連のコンサルティング、プロデュース、セミナー、執筆活動を行う。2003年、経済産業省情報セキュリティ啓発活動「インターネット安全教室」を企画プロデュース。地域のIT関連団体の協力を得て、47都道府県で実施する。2017年〜2018年、「ホロス2050未来会議」を実施。そのまとめとして、「IT25・50」シンポジウムを起案。主な著書は、『The History of Jobs & Apple』『ジョブズ伝説』『スマートTVと動画ビジネス』等。「ホロス2050」発起人。
服部桂(はっとり かつら)
1951年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科で修士号を取得後、1978年に朝日新聞に入社。87年から2年間、米MITメディアラボ客員研究員。科学部を経て、出版局で『ASAHIパソコン』副編集長、『DOORS』編集委員、『PASO』編集長。94年に新聞紙面で初のインターネット連載。2011年から同社ジャーナリス ト学校シニア研究員。著書に『人工現実感の世界』『人工生命の世界』『マクルーハンはメッセージ』など。訳書に『ハッカーは笑う』『人工生命』『デジタル・マクルーハン』『パソコン創世「第 3の神話」』『ヴィクトリア朝時代のインターネット』『謎のチェス指し人形ターク』『チューリング 情報時代のパイオニア』 『テクニウム テクノロジーはどこへ向かうのか?』『<インターネット>の次に来るもの』等。「ホロス2050」発起人。
橋本大也(はしもと だいや)
デジタルハリウッド大学教授。メディアライブラリー館長。1970年生まれ。ビッグデータと人工知能の技術ベンチャー企業データ セクション株式会社の創業者。同社を上場させた後、顧問に就任し、教育者、事業家に転進。教育とITの領域でイノベーションを追求している。著書に『データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人』(SB 新書) 『情報力』(翔泳社)など。書評ブログを10年間執筆。書評集として「情報考学 Web時代の羅針盤 213 冊」(主婦と生活社) がある。多摩大学大学院客員教授。早稲田情報技術研究所取締役。「ホロス2050」発起人。
福岡俊弘(ふくおか としひろ)
編集者、デジタルハリウッド大学教授、株式会社UEI エデュケーションズ 代表取締役。1957年生まれ。89年アスキー入社。92年よりパソコン情報誌『EYE・COM』編集長。97年より『週刊アスキー』編集長。ほかに2つの雑誌の創刊にも携わる。TBSラジオ『デジ虫』のパーソナリティー、『森本毅郎のスタンバイ』コメンテーターを各3年務めるなど、ラジオパーソナリティーとしての顔も。株式会社アスキーメディアワークス第7編集部部長、『週刊アスキー』総編集長、『Tokyo Kawaii Magazine』編集長、MIKUNOPOLISディレクターを歴任。「ホロス2050」協力者。
神田敏晶(かんだ としあき)
KandaNewsNetwork,Inc.代表取締役。ビデオジャーナリスト / ソーシャルメディアコンサルタント。1961年、神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。SNSをテーマにしたBAR YouTubeをテーマにした飲食事業を手がけ、2007年参議院議員選挙東京選挙区無所属で出馬を経験。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。主な著書は、『できる100ワザUSTREAM』『Twitter革命』『YouTube革命』『ウェブ3.0型社会』『Web2.0でビジネスが変わる』等。
柏原裕一郎(かしわばら ゆういちろう)
1962年、熊本生まれ。一橋大学卒業後、株式会社電通に入社。新聞局に配属されるも当時のマルチメディア熱に冒され、『MACWORLD』等の企画に関わる。1996年にグローバルに開催されたインターネットワールドエキスポでは日本の事務局員。インターネット広告の創世記に関わり業界団体の設立にも尽力。その後インターネット関連広告主を担当。モバイルキャリアの立ち上げも経験しつつ、3年間出向。帰任後はIT関連新規事業担当。2016年末に退職し、株式会社kassy商会を設立、代表取締役。フリーWi-Fiやeスポーツ等で活動中。「ホロス2050」協力者。
「IT25・50」シンポジウム実行委員会
公式サイト:IT25・50.net/holos2050.jp Facebook/Twitter:IT25・50